住宅取得価格の資金バランス

 次に、住宅取得価格全体の資金バランスをみてみる。
 よく建物コストの見方として、構造、仕上、設備の3つに振り分けて検討しろといわれる。 今の住宅でみた場合、この中の「設備」の割合が昔に比べ、非常に大きくなってきている。 その分、本来、建物本体の安全性を担う一番重要であるべき「構造」が低くなっている。 木造住宅の場合、当然、その構造部分は木材で租み立てられているが、 一時期、その全木材費が、台所のシステムキッチンの代金を下まわるというケースか珍しくなかった。 今でも、アルミサッシ工事費が、全木材費よりも高いといったケースは多くある。
 今の寿命の短い住宅では、構造にお金をかけるよりも、設備や外見のほうが重要だというのはひとつの考え方であるかもしれないし、 それを否定するつもりはない。要は、価値観、考え方の問題であり、 住宅取得者の側に多様な選択肢が用意されていれば、構わないと思う。
 しかし、実際に、建築には素人である個人が住宅の取得を考えた場合、 安全で、しっかりした構造の家を、山の木が育つ時間を意識した、 循環する森林と共に在る。そんな家造りを想う。