問題点

 これまでの消費至上社会が曲がり角にきている今、以上の様な考え方を理解し、 賛同する都民は少なくないと思う。
 しかし、現実に家を建てる段階で、便利さ、快適さに慣れ、より楽な暮らしを求めていく流れの中で、 実際にどの程度、設備仕様を下げることができるのか。
 そのためにはまず何よりも、そのことをバランスシートにして提示し、 資金シフトの中身をより現実的に組み上げていける建築業界者が、 このプロジェクトに参加してくれることが必要である。
 中古住宅市場をつくる場合、現在ある住宅ストックの中で、 評価に値するものが、はたしてどれだけあるのか、 その評価基準、査定できる資格者の制度、税法上の問題もある。 また、これらの制度は今後発生するであろう「古材市場」を視野に入れたものにしていかなくてはならないであろう。
 見直されてきている自然素材ブームも、また問題をかかえている。 あたり前のことではあるが、自然素材は木材も含めてすべて、長所と共に欠点も持っている。 木材に関しては、過去においてその欠点のみが強調され、その欠点を持たないという理由で、 新建材等の工業製品が代替材として登場したという歴史がある。
 今、その代替材がシックハウスなどの問題を生じたため、木材が健康的な自然素材として見直され、 その長所ばかりがもてはやされているきらいがある。
 しかし、この間、自然素材の短所、品質の不安定さや大量生産に向かない性質、価格、 それぞれの製品が持つ負の特性(木材では狂い、割れなど)が変わったわけではない。 長所面のみを見て安易に「自然素材としての木材」を取り上げ、再び、その欠点がクローズアップされていることが憂慮される。
 大切なのはその欠点を正しく認識し、その上で建材として、代替材と比較してどちらを使用するか、 を考えていくことである。依然として、木材等の自然素材を部品としてしか見ることかできない建築業界の体質も、 変わっていくべき時期なのではないだろうか。
 現在、省工ネブームでエコ商品がまた伸び初めている。 しかし、省エネ住宅とはいっても、新築する住宅の電気契約は60A(一般の住宅では最大量)というケースが多く、 総電気使用量は変わらず、むしろ増えている。ある意味でこれが、一番根本的な問題を示しているのかもしれない。